Shiggy Jr. 「High 5 Aniversary」@恵比寿リキッドルーム

2017年12月5日をもって、ShiggyJr.は結成から丸5年を迎えた。結成記念日となるこの日、Shiggy Jr.5周年を祝うワンマンライブ「High 5 Aniversary」が恵比寿リキッドルームにて開催された。普段、なかなか見ることの出来ないシーンが盛りだくさんの5周年を祝うにふさわしい貴重な一夜になった。

初めてシギジュニのライブレポを書いたのが2015年5月に行われたビバラロックフェスでのステージだった。

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あれから2年半以上も月日が経ったと知り、時の流れの速さというものに驚きを隠せない。

池田智子(Vo)と原田茂幸(Gt)がShiggy Jrを結成してから5年、森夏彦(B)と諸石和馬(Dr)が途中加入し、4人体制になってから3年10か月。4人はここに至るまでの道のりをがむしゃらに走り続けてきた。メンバーの脱退や4人体制での再スタート、記念すべきメジャーデビュー、事務所の移籍、1st FullAlbum「ALL ABOUT POP」リリースなど、紆余曲折を経て今日までやってきた。5年間は決して平坦な道のりではなかったと思うが、それでも彼らは現状に満足することなく、メンバーそれぞれがひたむきに努力して常に進化を遂げてきた。

5周年を記念した「High 5 Aniversary」は、この5年の間に蓄えてきた成長の証を存分に見せつける素晴らしいライブだった。

何より今まで以上に驚かされたのは、4人のチームワークがより強固なものに進化していたことだった。4人の絆が固く強く結ばれていることは、ライブやSNSなどを通してこれまでの活動を見てきた私自身も既に分かっていた事だけど、想像以上にその絆は深まっていると今回のライブで強く実感した。曲ごとに、曲のパートごとに流れるようなタイミングでそれぞれが先頭に立って演奏をリードし、まさにあうんの呼吸でステージ上のリーダーが次々に入れ替わりライブを引っ張っていく。その様子は先日スピートスケートの女子団体追い抜きで世界新記録を樹立した日本選手のチームワークと重なってみえた。

驚くべき点はまだある。チーム全員が無尽蔵なスタミナを誇るハードワーカーであることだ。演奏自体はもちろんのこと、池田、原田、森の3人は常にステージを縦横無尽に動いていたし、ドラムの諸石も立ち上がってオーディエンスにクラップを求めたり、皆が演奏以外でも献身的な働きをしていた。また、メンバー全員が各パートでそれぞれメインMCを担って会場のイニシアチブを握るシーンもあったし、『恋したらベイベー』や『誘惑のパーティー』ではキレのあるダンスを披露していた。ライブ開始から終演までスタミナを切らすことなく全力疾走でステージ上を躍動する姿には感動したし、個人的に大きな刺激を受けた。今のサッカー日本代表の中盤にこんな選手たちがいたらと、余計なことまで考えてしまう。

これまでのライブでは終盤にやることの多かった『Suturday Night to Sunday morning』から幕を開けたライブ。序盤は『恋したらベイベー』や『Key of life』などシギジュニが誇る王道ポップソングで会場を沸かせたと思えば、中盤では『daytrip』や『baby I love you』『二人だけのストーリー』といったもう一つの強みというべき、ウットリするほど美しいメロウなナンバーでオーディエンスを酔わせる。終盤に来ると、『oyasumi』でシギジュニらしからぬロックサウンドを爆発させ、『GOHST PARTY』でエレクトロポップなダンスミュージックを披露。1つのバンドでこれだけ目まぐるしくシチュエーションが変化するライブはなかなか目にしないし、セットリストを見れば、いかにメンバーそれぞれが様々な武器を会得し、バラエティ豊かな楽曲群を制作してきたかがよく分かる。今回披露した色っぽいサウンドが印象的な新曲『朝、目が覚めたら』では初めて原田茂幸がメインボーカルを務めており、これもまたシギジュニの新たな武器になること間違いないだろう。

もちろんバンドとしてのテクニカルな部分も大幅にアップグレードされていて、1曲1曲のストーリーがより味わい深く、鮮明に描かれていた。今回のライブで披露したもう一つの新曲『looking for you』はその証明ともいえる1曲だ。池田がキーボードを弾きながら歌い上げる壮大なバラードナンバーは、シギジュニ史上最高傑作の1つに入る作品といって間違いない。情感あふれる池田の美声と4人が魅せた圧巻のアンサンブルに鳥肌が立ちっぱなしで、なかなか放心状態が収まらなかった。池田の歌唱力は歌うたびに信じられないほどのスピードで進化を遂げていて、今後どんなヴォーカルストになるのか予想がつかない。

この日のライブでは久しぶりにカバー曲(そのカバー曲がシュガーベイブの『ダウンタウン』という何とも堪らない選曲だった)が披露されたり、そのカバー曲では各パートでメンバー全員がそれぞれメインボーカルを務めるという珍しい構成でファンを湧かせたり、2つの新曲を披露するなど、始まりに池田が「今日しかない特別なライブに」と宣言した通り、私達ファンにとってはまさにスペシャル感満載な一夜だった。

恵比寿リキッドルームで4人は6年目のスタートを幸先よく切っていった。そして休む間もなく2018年2月からは、6都市9公演を巡る春・夏二本立てのワンマンツアーがスタートする。リキッドルームで魅せたパフォーマンスからすれば、きっと素晴らしいライブツアーになることは間違いないだろう。とにかく早く彼らのライブが見たくて、もう既にワクワクしている。春と夏で公演内容が変わるツアーという意味では、Shiggy Jr.にとってまた新たな挑戦の1年になるといえるだろう。困難な壁にぶち当たることもあるかもしれない。しかし、それを乗り越える力が今の4人には十分あると確信している。ここまでの道のりを見てきた者は誰もがそう思っているだろう。春夏ツアーを通して彼らが一体どんな飛躍を遂げていくのか。来年のツアーを想像すると、今から楽しみで仕方ない。

 

Shiggy Jr. 「High 5 Aniversary」@恵比寿リキッドルーム セットリスト

1.Saturday night to Sunday morning

2.恋したらベイベー

3.誘惑のパーティー

4.key of life

5.day trip

6.baby I love you

7.二人のストーリー

8.DOWN TOWN(シュガー・ベイブ カバー)

9.朝、目が覚めたら(新曲)

10.looking  for you (新曲)

11.僕は雨のなか

12.Juuuump!!

13.oyasumi

14.GHOST PARTY

15.LISTEN TO THE MUSIC

16.サンキュー

アンコール

17.約束

18.サマータイムラブ