29日、FINLANDSのライブに行ってきました。FINLANDSと言えば、今月28日にサマーソニック2015の出演が決まったバンド。オーディション企画「出れんの!?サマソニ!?」で出演アーティスト12組の中の1組に選出されたのだ。1000組を超える参加アーティストの中から選ばれたのだから、凄まじいことだと思う。個人的にはいつRIJFに出てもおかしくないバンドだと思うけど。
メンバーの皆さん本当におめでとうございます。
FINLANDSが見せた気迫あふれる圧巻のパフォーマンス
結論から言えば4月に横浜で見た時より遥かに素晴らしく、気合の入った熱いライブだった。
特に『さよならプロペラ』から最後の『東名怪』までの流れは見事だった。コシミズカヨのダイナミズムあふれるベースから繰り出すサウンドに厚みがあり、FINLANDSの音楽を味わい深いものさせる。ベースが活きてくるバンドだと身に染みて感じた。
そしてFINLANDSの魅力と言えば、フロントマンである塩入冬湖の歌声だろう。「ゲスの極み乙女」の川谷絵音が6月に再びFINLANDSの事を呟いていたが、そこでこんな事を言っていた。
前も言ったけどFINLANDSのボーカルの塩入冬湖さん、めちゃくちゃ良い声してるんだよなぁ。一瞬楽器みたいになる声が独特で、そこが好きなのです。https://t.co/YpZpdsW2JD
— enon kawatani (@indigolaEnd) 2015年6月14日
そう。音楽の中でボーカルの声が果たす役割は大きい。バンドサウンドがいくら素晴らしくても、声でぶち壊されたら元もこうもない。
塩入の声は誰もが惚れ込んでしまうほど素晴らしい歌声を持っている。彼女から解き放たれるサウンドはFINLANDSの運命を左右してしまうほど重要なものだ。もちろんコシミズカヨと奏でる魅力的なハーモニーも重要である。
その歌声であるが、ライブ序盤は少し緊張感みたいなものを感じた。しかし、徐々にエンジンがかかり始め、3曲目の『クレーター』でトップギア突入。非常に芯の強い声だった。今のバンドに相当な自信を持っているのだろう。バックには信頼できるメンバーがいる。不安も迷いも一切感じることなくエモーショナルに歌い上げるその姿に、計り知れない強さを感じた。
ラストを飾った『東名怪』は圧巻の一言。オーディエンス一人一人の目を見て、感謝の気持ちを伝えるように力強く歌う姿が印象的で、彼女の良さが全面に出ていた1曲だったと思う。なんだか頭を吹っ飛ばされたような気分で、しばらく続いた放心状態。そうなったのは歌声のせいだけではない。4人全員が生み出す世界観が素晴らしかったからだ。
「(今回のアルバム『JET』は)買って、絶対に後悔させない」。塩入冬湖はMCで自信を持って、そう言った。今月15日にリリースされた4thミニアルバム『JET』は、サポートで入っているドラムの斉藤秀平、ギターの澤井良太を加えた4人で一から作り上げた渾身の力作だ。今回のレコ発はその4人の結束を痛烈に感じるライブだった。エネルギッシュで、とても輝いて見えた。もう今のFINLANDSはコシミズと塩入からなる2人組のバンドではない。4人が揃ってこそのFINLANDSなのだ。
いよいよ来月は彼らにとって勝負となるサマソニが待っている。このバンドはもう自分たちのスタイルを確立している。そういうバンドはなかなかいない。そして、ライブでは悠々と音源を超えてくるパフォーマンスを見せてくる。
この暑い夏に、目を疑うような服装を身に纏ったバンドが幕張のステージで大暴れしてくれることだろう。当日サマソニ参戦する方はぜひ見てほしいバンドです。
2015.7.29 『JET Star tour 2015』@新代田FEVER セットリスト
1.ゴードン
2.シンデレラストーリー
3.クレーター
4.あの子のお祭り
5.さよならプロペラ
6.さみしいスター
7.銀河の果てまで
8.東名怪